助成金と補助金の違いを社労士がわかりやすく解説|自社に合う制度の選び方・申請代行の専門家の違いまで

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「助成金・補助金を活用したいが、そもそも何が違うのかよくわからない」
「コンサル会社から『補助金の申請をお手伝いします』と営業されたが、自社が必要なのは助成金ではないか」
「社長から『補助金か助成金か調べておいて』と言われたが、どちらを調べればいいか迷っている」

このような経営者・総務担当者の方はとても多くいらっしゃいます。

「助成金・補助金」は日常的に一緒に語られることが多いため、同じようなものだと思われがちです。しかし実際には、管轄省庁・財源・受給の確実性・申請代行を頼む専門家まで、根本的に異なる別の制度です。

この違いを知らないまま動いてしまうと、「補助金コンサルに高額な着手金を払ったが、実は助成金の方が確実に受給できたケースだった」「社労士に補助金の相談をしたが対応できなかった」といった失敗が起きます。

この記事では、大阪の社会保険労務士事務所「働き方研究所MiRAHATA」が、社労士として助成金申請の現場に立ち続けてきた実務目線から、両者の違いを徹底的にわかりやすく解説します。

この記事でわかること

・助成金と補助金の違い(6つの軸で徹底比較)
・財源の違いが「受給の確実性の違い」につながる理由
・代表的な助成金・補助金の具体例
・「どちらを使うべきか」の目的別判断ガイド
・申請代行を頼む専門家が違う理由(法的根拠付き)
・混同して損をしやすい3つのパターン

助成金と補助金の違い【6つの軸で徹底比較】

まず、両者の違いを6つの軸で一覧にまとめます。

比較軸助成金補助金
主な管轄厚生労働省・都道府県労働局経済産業省・中小企業庁・地方自治体
財源雇用保険料(事業主負担分)税金(国・地方の一般会計)
受給の確実性要件を満たせば原則受給できる審査・採択あり(落選することもある)
申請時期通年募集が多い公募期間が限られる(1〜2か月程度)
受給額の目安数十万円〜数百万円数十万円〜数千万円以上
申請代行の専門家社会保険労務士(独占業務)中小企業診断士・行政書士・認定支援機関等

両方とも「返済不要の公的資金」という点は共通していますが、それ以外はほぼ別物と考えて差し支えありません。

財源の違いが「性質の違い」につながる

助成金の財源は「雇用保険料」

厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金の財源は、事業主が毎月納めている雇用保険料(事業主負担分)です。

雇用保険は「雇用の安定を図る」ことを目的とした社会保険であり、その保険料を財源として「雇用の安定に取り組んだ事業主に還元する」のが助成金の仕組みです。

つまり助成金は、事業主が積み立てた保険料を、一定の要件を満たした事業主に返ってくる制度とも言えます。これが「要件を満たせば原則受給できる」という確実性の高さの理由です。

補助金の財源は「税金(一般会計)」

補助金の財源は国や地方自治体の税金です。限られた予算を多くの事業者に公平に配分する必要があるため、審査・採択という仕組みが設けられています。

予算には上限があるため、採択件数が決まっており、申請しても採択されない場合があります。競争率が高い補助金では採択率が30〜50%程度になることもあります。

助成金補助金
財源事業主が納めた雇用保険料税金
なぜ確実性が高いか自分たちが積み立てたものの還元税金を使うため審査で公平性を確保
なぜ審査がないか要件充足の確認のみでよい採択数が限られているため選考が必要

代表的な助成金と補助金の具体例

主な助成金(厚生労働省管轄)

雇用関係の助成金の中で、中小企業が特によく活用するものを紹介します。

キャリアアップ助成金

非正規雇用労働者(有期・短時間・派遣)の正社員転換・処遇改善に取り組んだ事業主に最大140万円を助成。最も活用されている助成金のひとつです。

人材開発支援助成金

社員の研修・スキルアップにかかる費用を最大85%助成。DX関連のeラーニングもOK。キャリアアップ助成金と組み合わせれば最大167.5万円以上の受給も可能です。

業務改善助成金

事業場内最低賃金の引き上げと設備投資をセットで実施した事業者に最大600万円を助成。

働き方改革推進支援助成金

残業削減・有給促進などに取り組む中小企業を最大1,000万円(業種別課題対応コース)まで助成。

両立支援等助成金

男性育休取得促進・育休中の業務代替体制整備に最大140万円を助成。

主な補助金(経済産業省・中小企業庁等管轄)

ものづくり補助金

中小企業が革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセス改善のために設備投資等を行う場合に最大1,250万円(通常枠)を補助。審査あり・採択率50〜60%程度。

IT導入補助金

中小企業・小規模事業者がITツール(会計ソフト・勤怠管理・ECサイト等)を導入する費用を補助。複数の補助枠があり、最大450万円まで。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が販路開拓や業務効率化のために行う取り組みを最大200万円(特別枠)まで補助。

省エネ補助金

工場・ビル等において省エネルギー設備を導入する際の費用を補助。設備によっては高額になる。

どちらを使うべきか|目的別判断ガイド

「助成金と補助金のどちらを使うべきか」は、取り組みの目的によって判断できます。

自社の状況・やりたいことおすすめ理由
パートやアルバイトを正社員にしたい助成金キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象
社員にDX・資格取得の研修をさせたい助成金人材開発支援助成金の対象
最低賃金を引き上げて設備投資もしたい助成金業務改善助成金の対象
残業削減のための労務管理ソフトを導入したい助成金働き方改革推進支援助成金の対象
男性社員に育休を取ってほしい助成金両立支援等助成金(出生時両立支援コース)の対象
まったく新しい商品・サービスを開発したい補助金ものづくり補助金・事業再構築補助金等の対象
会計・在庫・顧客管理等のITシステムを導入したい補助金IT導入補助金の対象(業務効率化目的)
大型の省エネ設備・生産ラインを導入したい補助金省エネ補助金・ものづくり補助金等の対象

判断の基本原則

「雇用・人材・労働環境に関すること」は助成金、「新事業・設備投資・IT導入など事業自体に関すること」は補助金が基本的な判断軸です。
ただし制度は年々変わるため、「これは助成金か補助金か」の判断に迷う場合は専門家への相談をお勧めします。

申請代行を頼む専門家が違う

助成金申請代行は社会保険労務士の独占業務

厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金の申請書作成・提出代行は、社会保険労務士(社労士)の独占業務です(社会保険労務士法第27条)。
社労士以外の者(税理士・行政書士・コンサルタント等)が報酬を得て助成金の申請代行を行うことは、社労士法違反となります。違法な代行業者を使った場合、依頼した企業側も不正受給とみなされるリスクがあります。
「助成金申請のお手伝いします」と言ってきたコンサルタント会社や研修会社が社労士でない場合は、依頼してはいけません。

補助金申請代行は異なる専門家が担当

補助金の申請サポートは、中小企業診断士・行政書士・認定経営革新等支援機関(認定支援機関)などが担当します。補助金の種類によって相談先が変わります。

専門家の違いまとめ

制度申請代行の専門家注意点
助成金(厚労省管轄)社会保険労務士社労士以外への依頼は社労士法違反の可能性あり
補助金(経産省・中小企業庁等管轄)中小企業診断士・行政書士・認定支援機関等補助金の種類によって相談先が異なる

混同して損をしやすい3つのパターン

助成金と補助金を混同したことで、実際に起こりやすい失敗パターンを社労士の視点でお伝えします。

パターン1|補助金コンサルに大きな費用を払ったが、必要だったのは助成金だった

「人材育成・正社員化のために国の制度を使いたい」と考えていた経営者が、「補助金・助成金の申請代行します」という広告を見てコンサル会社に相談し、着手金数十万円を支払った。
しかし相談内容をよく聞くと、正社員化はキャリアアップ助成金、研修は人材開発支援助成金が対象であり、そのコンサル会社は補助金専門で助成金には対応できなかった。着手金は返金されず、結果的に何も申請できないまま終わったケースです。
「助成金か補助金か」を最初に正確に判断した上で、適切な専門家に相談することが大切です。

パターン2|「どちらも後払い」と知らず、資金繰りが苦しくなった

助成金も補助金も原則として「後払い(事後精算)」です。設備を購入し、取り組みを実施してから申請し、審査を経て受け取る仕組みのため、受給まで数か月〜1年以上かかります。
「助成金・補助金をもらったら設備代金を払う」という計画は成り立ちません。先に自己資金か融資で費用を立て替える必要があります。
設備投資を計画している場合は、金融機関の融資と助成金・補助金を組み合わせた資金計画を事前に立てることをお勧めします。

パターン3|「補助金でITツールを導入するついでに助成金も申請する」が上手くいかない

IT導入補助金(補助金)を使ってシステムを導入し、「ついでに助成金も申請しよう」と考えるケースです。補助金と助成金は別の制度のため、申請先も手続きも異なり、専門家も変わります。
また、同じ取り組みに対して補助金と助成金を二重に申請できない場合もあります。「どちらかを先に申請して、もう一方は別の取り組みで申請する」という段階的な計画が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 助成金と補助金は同時に申請できますか?

同じ取り組み・同じ経費に対して助成金と補助金を重複して受給することは原則できません(二重取りの禁止)。ただし、取り組みが異なれば別々に申請できます。例えば「社員研修に助成金(人材開発支援助成金)」と「新製品開発に補助金(ものづくり補助金)」を同時に進めることは可能です。

Q2. 助成金と補助金、どちらの方が確実に受け取れますか?

要件を満たせば原則受給できる助成金の方が確実性は高いです。補助金は審査・採択があるため、要件を満たしていても落選する場合があります。ただし助成金は受給額が補助金より低い傾向があるため、取り組みの規模や目的によって使い分けることが重要です。

Q3. 「給付金」とはまた別のものですか?

給付金は、特定の状況下(災害による被害・感染症対策等)にある企業や個人に対して支給されるもので、助成金・補助金とは異なります。コロナ禍での「雇用調整助成金(特例)」や「持続化給付金」は状況に応じた特別措置であり、通常時の助成金・補助金とは区別して理解してください。

Q4. 税理士に助成金の申請を頼めますか?

厚生労働省管轄の雇用関係の助成金申請は社労士の独占業務のため、税理士に申請代行を依頼することはできません。一方、補助金申請のサポートは税理士が認定支援機関として対応できる場合があります。制度ごとに相談先を使い分けてください。

Q5. 大阪で助成金に強い社労士を探しています。

大阪市北区(梅田エリア)に拠点を置く「働き方研究所MiRAHATA」では、雇用関係の主要助成金(キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金・業務改善助成金・働き方改革推進支援助成金等)の申請サポートを行っています。「助成金か補助金か迷っている」という段階からご相談いただけます。初回相談無料・土日対応可・オンライン相談可・全国対応です。

MiRAHATAは「助成金」を対応しています

繰り返しになりますが、当事務所が専門とするのは厚生労働省管轄の雇用関係の助成金です。補助金については対応範囲外です。
「助成金と補助金、どちらが自社に合うかわからない」という段階からご相談いただければ、助成金の観点から判断をお手伝いします。補助金が必要と判断した場合は、適切な専門家をご紹介することも可能です。

MiRAHATAが選ばれる3つの理由

1. 助成金に特化した専門性

雇用関係の助成金に絞って深く取り組んでいます。「助成金だけは自信がある」という専門家に任せることで、申請漏れや要件ミスのリスクを最小化できます。

2. 複数助成金の組み合わせ提案

キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金の組み合わせなど、自社の取り組みに合わせた複数の助成金を組み合わせて受給総額を最大化します。

3. 就業規則整備から申請まで一気通貫

多くの助成金で必要となる就業規則の整備から申請・受給まで一貫してサポートします。

まずは無料相談から

「自社に助成金が使えるか確認したい」「助成金と補助金のどちらを使うべきか迷っている」という段階からご相談いただけます。
TEL:06-7777-2605 携帯:090-1967-2223
お問い合わせフォーム:https://www.mirahata.com/index.php?toiawase
初回相談 無料|土日対応可|オンライン相談可|全国対応

まとめ

・助成金と補助金は返済不要という点は共通だが、管轄・財源・受給確実性・申請代行の専門家がまったく異なる別の制度
・助成金は雇用保険料が財源のため要件を満たせば原則受給できる。補助金は税金が財源のため審査・採択があり落選する場合もある
・「雇用・人材・労働環境に関すること」は助成金、「新事業・設備投資・IT導入など事業自体に関すること」は補助金が基本的な判断軸
・助成金の申請代行は社会保険労務士の独占業務。社労士以外(税理士・コンサル等)への依頼は法律違反になる可能性がある
・同じ取り組みに対して助成金と補助金を二重に受給することは原則できない
・両者ともに原則後払いのため、設備投資等の費用は先に自己資金か融資で立て替える必要がある