【令和8年度最新・社労士監修】助成金の種類を一覧で解説|中小企業が使える雇用関係助成金と選び方

「助成金があることは知っているが、どんな種類があるのか全体像が掴めない」
「キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金という言葉は聞くが、違いがよくわからない」
「自社に合う助成金がどれか、どこから調べればいいかわからない」
このような悩みを持つ経営者・総務担当者の方はとても多くいらっしゃいます。
助成金は、要件を満たせば返済不要で受け取れる国の公的制度です。しかし種類が多く、毎年改正されるため、「何となく知っている」という状態のまま申請漏れが続いているケースが非常に多いのが実態です。
この記事では、大阪の社会保険労務士事務所「働き方研究所MiRAHATA」が、令和8年度の最新情報をもとに、中小企業が使える雇用関係の主要助成金を種類別に整理し、「自社にどれが合うか」の判断基準まで解説します。
この記事でわかること
・助成金と補助金の違い(まず最初に押さえるべき大前提)
・令和8年度の助成金の種類一覧(カテゴリー別に整理)
・主要5種類の助成金の概要と受給額
・自社の状況から使える助成金を選ぶ目的別ガイド
・申請漏れをなくすセルフチェックリスト
まず最初に確認|助成金と補助金は別物です
助成金について調べると「補助金」という言葉も頻繁に出てきます。この2つは似ているようで、まったくの別制度です。混同すると「申請できると思っていたのに対象外だった」というトラブルの原因になります。
| 助成金 | 補助金 | |
| 受給のしくみ | 要件を満たせば原則受給できる | 審査・採択が必要(競争あり) |
| 主な管轄 | 厚生労働省(雇用・労働関連) | 経済産業省・中小企業庁等 |
| 財源 | 雇用保険料(事業主負担分) | 国・地方の税金 |
| 受給のしやすさ | 要件充足で原則受給 | 採択倍率があり、落選する場合も |
| 申請代行 | 社会保険労務士の独占業務 | 行政書士・中小企業診断士等も可 |
| 代表例 | キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金 | ものづくり補助金・IT導入補助金 |
MiRAHATAが専門とするのは厚生労働省管轄の雇用関係の助成金です。本記事で解説する助成金もすべてこの範囲に限定しています。
令和8年度の助成金種類一覧【カテゴリー別】
厚生労働省が管轄する雇用関係の主な助成金を、目的別に整理しました。
正社員化・処遇改善を支援する助成金
| 助成金名 | 主な内容 | 最大受給額(中小企業) |
| キャリアアップ助成金(正社員化コース) | 非正規→正社員転換 | 140万円/人 |
| キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース) | 基本給3%以上引き上げ | 7万円/人+加算 |
| キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース) | 正社員と共通の賃金規定作成 | 60万円/事業所 |
| キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース) | 賞与・退職金制度の新規導入 | 56.8万円/事業所 |
| キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長支援コース) | 社会保険適用のための労働時間延長 | 75万円/人 |
人材育成・スキルアップを支援する助成金
| 助成金名 | 主な内容 | 最大受給額(中小企業) |
| 人材開発支援助成金(人材育成支援コース) | 職務関連の研修(10時間以上のOFF-JT等) | 経費の85%+賃金助成 |
| 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース) | DX化・GX化等に伴う訓練 | 経費の75%+賃金助成 |
| 人材開発支援助成金(人への投資促進コース) | 高度デジタル人材育成・定額制研修等 | 経費の75%+賃金助成 |
| 人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース) | 有給教育訓練休暇制度の導入 | 36万円/事業所 |
仕事と家庭の両立を支援する助成金
| 助成金名 | 主な内容 | 最大受給額(中小企業) |
| 両立支援等助成金(出生時両立支援コース) | 男性育休取得促進(産後パパ育休等) | 最大100万円/事業所 |
| 両立支援等助成金(育児休業等支援コース) | 育休取得・職場復帰の支援体制整備 | 最大140万円/事業所 |
| 両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース) | 育休中の業務代替者への手当支給等 | 最大110万円/事業所 |
労働時間・賃金改善を支援する助成金
| 助成金名 | 主な内容 | 最大受給額(中小企業) |
| 働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース) | 時間外労働削減・年次有給休暇取得促進 | 最大250万円/事業所 |
| 働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース) | 運送業・建設業等の時間外労働上限規制対応 | 最大1,000万円/事業所 |
| 業務改善助成金 | 最低賃金引上げと設備投資の組み合わせ | 最大600万円/事業所 |
採用・定着を支援する助成金
| 助成金名 | 主な内容 | 最大受給額(中小企業) |
| トライアル雇用助成金 | 安定就職が困難な求職者の試行雇用 | 5万円/人・月 |
| 人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース) | 諸手当制度・研修制度等の導入による離職率低下 | 57万円/事業所 |
主要助成金の詳細解説(令和8年度)
中小企業が特に活用しやすい主要5種類について、概要・対象・受給額を解説します。
キャリアアップ助成金|非正規雇用の正社員化・処遇改善
非正規雇用労働者(有期・短時間・派遣)の正社員転換や処遇改善に取り組んだ事業主に支給されます。雇用関係の助成金の中で最も多くの企業が活用しており、MiRAHATAでも特に多くのご相談をいただいています。
最も使われる正社員化コースの受給額(中小企業)
| 対象者 | 転換形態 | 受給額 |
| 重点支援対象者 | 有期→正規 | 80万円(加算含め最大140万円) |
| 重点支援対象者 | 無期→正規 | 40万円 |
| 上記以外 | 有期→正規 | 40万円 |
| 上記以外 | 無期→正規 | 20万円 |
令和8年4月から「情報公表加算(20万円)」が新設され、条件次第で最大140万円の受給が可能になっています。
申請には事前の計画届提出・就業規則の整備が必要です。詳しくはキャリアアップ助成金の詳細記事をご覧ください。
人材開発支援助成金|研修費用最大85%が助成される
社員のスキルアップや資格取得にかかる研修費用・訓練中の賃金の一部を助成する制度です。eラーニングや通信制の研修も対象となり、10時間以上のOFF-JTから申請できます。
人材育成支援コース(人材育成訓練)の助成率
| 対象労働者 | 通常の助成率 | 賃金要件等を満たす場合 |
| 正規雇用労働者(中小企業) | 45% | 60% |
| 非正規雇用労働者(中小企業) | 70% | 85% |
さらに、キャリアアップ助成金と組み合わせることで、DX研修を受講した非正規社員を正社員転換し、最大167.5万円以上の受給も可能です。
令和8年度末(令和9年3月末)でリスキリング支援コースが終了予定のため、DX研修活用を検討している企業は早めの対応が必要です。詳しくは人材開発支援助成金の詳細記事をご覧ください。
両立支援等助成金|育児・介護との両立を支援
育児休業の取得促進・職場復帰支援・介護離職防止に取り組む事業主を対象とした助成金です。少子化対策の観点から年々拡充されており、令和8年度も手厚い支援が継続されています。
主なコースの概要(中小企業)
出生時両立支援コース(通称:コウノトリコース)では、男性労働者が育児休業・育児目的休暇を取得しやすい環境整備に取り組んだ事業主を支援します。
育休中等業務代替支援コースでは、育休・産休取得者の業務を周囲の労働者が代替する体制を整備した場合に、代替業務への手当支給額の75%(月上限16万円)または新たな採用者への助成(27〜67.5万円)が受けられます。
「従業員に育休を取ってほしいが、業務が回らなくなるのが心配」という経営者にとって、この助成金は業務代替体制の整備コストをカバーできる有効な制度です。
働き方改革推進支援助成金|残業削減・生産性向上を支援
時間外労働の削減・年次有給休暇の取得促進・勤務間インターバル制度の導入などに取り組む中小企業を支援します。生産性向上のための設備投資・システム導入・就業規則の整備等にかかる費用が助成対象です。
特に「適用猶予業種等対応コース」は、令和6年4月から時間外労働の上限規制が適用された運送業・建設業・医療業などの事業主向けで、最大1,000万円という大きな受給額が特徴です。
MiRAHATAの代表・後藤は運送業での長い管理職経験があるため、運送業における時間外労働削減の課題に対して実務的なアドバイスが可能です。
業務改善助成金|最低賃金引き上げ×設備投資をセットで支援
事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げ、設備投資や業務改善を行った中小企業に対して、設備投資等にかかった費用を助成する制度です。
| 賃金引上げ額 | 助成上限額(中小企業) |
| 30円以上 | 30万円 |
| 45円以上 | 100万円 |
| 60円以上 | 180万円 |
| 90円以上 | 600万円 |
最低賃金の引き上げに対応しながら、業務効率化のための機器導入・ICT化・外部専門家活用費用なども対象になります。「人件費が上がったが生産性も上げたい」という経営者に特に有効な助成金です。
自社に合う助成金の選び方|目的別ガイド
助成金の種類を把握した次のステップは「自社はどれを使うべきか」の判断です。自社の状況・やりたいことに合わせて選んでください。
| 自社の状況・やりたいこと | まずこれを検討 | 組み合わせ候補 |
| パート・アルバイトを正社員にしたい | キャリアアップ助成金(正社員化コース) | 人材開発支援助成金(訓練→転換で受給額最大化) |
| 社員に研修・資格取得をさせたい | 人材開発支援助成金(人材育成支援コース) | キャリアアップ助成金(訓練修了後に正社員転換) |
| 非正規社員の賃金を上げたい | キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース) | 業務改善助成金(最低賃金引き上げと組み合わせ) |
| 賞与・退職金制度を新たに設けたい | キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース) | キャリアアップ助成金(正社員化コースとの組み合わせ) |
| 男性社員に育休を取ってほしい | 両立支援等助成金(出生時両立支援コース) | 両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース) |
| DX化・AI活用の研修を実施したい | 人材開発支援助成金(リスキリング支援コース)※令和8年度末終了 | キャリアアップ助成金(訓練後に正社員転換) |
| 残業を減らして生産性を上げたい | 働き方改革推進支援助成金 | 業務改善助成金 |
| 最低賃金の引き上げに対応したい | 業務改善助成金 | 働き方改革推進支援助成金(賃上げ支援) |
| 求職者を試験的に雇い入れたい | トライアル雇用助成金 | キャリアアップ助成金(本採用後に活用) |
| 運送業・建設業の時間外規制に対応したい | 働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース) | 業務改善助成金 |
複数の助成金を組み合わせることで受給総額を大幅に増やせるケースがあります。特に「人材開発支援助成金(研修)→キャリアアップ助成金(正社員転換)」の組み合わせは、合計167.5万円以上の受給も可能です。どの組み合わせが自社に最適かは、状況によって異なるため、社労士への相談をお勧めします。
申請漏れをなくす「助成金セルフチェックリスト」
「取り組んでいる内容に助成金が使えたのに気づかなかった」という申請漏れは非常に多いです。以下のチェックリストで確認してください。
直近1年以内に実施した取り組み
・有期雇用労働者・パート・アルバイトを正社員に転換した → キャリアアップ助成金(正社員化コース)を申請しましたか?
・非正規社員の基本給を3%以上引き上げた → キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)を申請しましたか?
・賞与または退職金制度を新たに設けた → キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース)を申請しましたか?
・社員に研修・訓練を受けさせた → 人材開発支援助成金を申請しましたか?
・男性社員が育児休業を取得した → 両立支援等助成金(出生時両立支援コース)を申請しましたか?
・育休・産休取得者が出た → 両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース)を申請しましたか?
・最低賃金を引き上げて設備投資を行った → 業務改善助成金を申請しましたか?
・時間外労働削減のためのシステム導入等を行った → 働き方改革推進支援助成金を申請しましたか?
これから実施を予定している取り組み
・正社員転換を予定している → 取り組みの前にキャリアアップ計画書の提出が必要です
・研修の実施を予定している → 訓練開始の6か月前〜1か月前に計画届の提出が必要です
・育休取得の推進を予定している → 就業規則・育児介護休業規程の整備から始めましょう
雇用関係の助成金の多くは「取り組みの事前に計画届等を提出すること」が絶対条件です。「すでに取り組んだ後で申請しよう」では間に合わないものがあります。取り組みを検討し始めた時点で社労士に相談することをお勧めします。
助成金申請の際に知っておくべき3つの注意点
注意1|事前手続きが必要な助成金がある
キャリアアップ助成金は取り組みの前日までに「キャリアアップ計画書」の提出が必要です。人材開発支援助成金は訓練開始の6か月前〜1か月前に「訓練実施計画届」の提出が必要です。取り組みを行ってから申請しようとしても、事前提出の要件を満たせずに不支給になるケースが最も多い失敗パターンです。
注意2|毎年4月に改正される
助成金の要件・金額・コース名は毎年4月に見直されます。昨年の情報がそのまま今年も使えるとは限りません。令和8年度はキャリアアップ助成金の情報公表加算の新設・人材開発支援助成金のeラーニング上限額引き下げ等の重要な変更がありました。申請前に必ず最新の情報を確認してください。
注意3|申請代行は社労士の独占業務
厚生労働省が管轄する雇用関係の助成金の申請代行は、社会保険労務士の独占業務です(社会保険労務士法第27条)。「助成金コンサルタント」や研修会社が「申請も代行します」と勧誘してくるケースがありますが、社労士資格のない者への依頼は法律違反となり、依頼した企業側も不正受給とみなされるリスクがあります。必ず社労士への依頼をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 助成金は確定申告で申告が必要ですか?
必要です。助成金は法人税・所得税の課税対象となります。受給した期の収益として計上し、適切に申告してください。なお、助成金の受給自体が法人税を増やすことになりますが、助成金受給に伴って増加した人件費等が損金として計上されるため、実質的な税負担は受給額の増加ほど大きくはありません。
Q2. 複数の助成金を同時に申請できますか?
多くの場合、複数の助成金を同時に申請・受給できます。ただし一部の助成金では「併給調整」の規定があり、同一の取り組みに対して複数の助成金を重複して受給できない場合があります。どの組み合わせが可能かは、厚生労働省の「雇用関係助成金の併給調整について」のページで確認できます。
Q3. 助成金は非課税ですか?
課税対象です。助成金は「益金」として計上され、法人税・所得税の課税対象となります。消費税については不課税(課税取引ではない)として扱われます。
Q4. 大阪で助成金申請の相談ができる社労士はいますか?
大阪市北区(梅田エリア)に拠点を置く「働き方研究所MiRAHATA」では、キャリアアップ助成金・人材開発支援助成金・両立支援等助成金・働き方改革推進支援助成金など、雇用関係の主要助成金の申請サポートを行っています。「どの助成金が自社に合うか」という段階からご相談いただけます。初回相談無料・土日対応可・オンライン相談可・全国対応です。
助成金の選び方・申請はMiRAHATAにお任せください
助成金は種類が多く、自社に合うものを選んで正確に申請するには専門的な知識が必要です。「何から始めればいいかわからない」という段階からご相談いただけます。
MiRAHATAが選ばれる3つの理由
1. 複数助成金の組み合わせ提案が得意
1つの助成金だけでなく、自社の取り組みに合わせた複数の助成金を組み合わせて受給額を最大化します。キャリアアップ助成金と人材開発支援助成金の組み合わせなど、受給総額167.5万円以上の実現も可能です。
2. 申請漏れゼロへのこだわり
初回ヒアリングで自社の現状・取り組み予定を詳しく確認し、使える助成金の申請漏れがないよう網羅的に提案します。「取り組んでいたのに申請しなかった」という機会損失を防ぎます。
3. 就業規則整備から一気通貫で対応
多くの助成金は就業規則の整備が前提条件です。MiRAHATAでは就業規則の確認・改定から助成金申請まで一貫してサポートします。
まずは無料相談から
「どの助成金が自社に合うか知りたい」「申請漏れがないか確認したい」という段階からご相談いただけます。
TEL:06-7777-2605 携帯:090-1967-2223
お問い合わせフォーム:https://www.mirahata.com/index.php?toiawase
初回相談 無料|土日対応可|オンライン相談可・全国対応
まとめ
・助成金は要件を満たせば原則受給できる返済不要の制度。補助金(審査・競争あり)とは別物
・厚生労働省管轄の主要な助成金は「正社員化・処遇改善」「人材育成」「仕事と家庭の両立」「労働時間・賃金改善」「採用・定着」の5カテゴリーに分類できる
・最も活用されているのはキャリアアップ助成金(最大140万円)と人材開発支援助成金(研修費用の最大85%助成)
・複数の助成金を組み合わせることで受給総額を大幅に増やせる(例:DX研修+正社員転換で167.5万円以上)
・多くの助成金は「取り組みの事前に計画届等を提出」が必須。取り組んでから申請では間に合わないものがある
・毎年4月に改正されるため、昨年の情報はそのまま使えない可能性がある
・申請代行は社労士の独占業務。社労士以外への依頼は法律違反となるリスクがある